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その「常識」、広告が作った勘違いかもしれません

「エンジニアは人手不足だから、未経験でもすぐなれて高収入」——この認識のまま転職活動を始めると、高確率で挫折します。スクールの広告や求人のキャッチコピーが作り上げたイメージと、現場の実態には大きなズレがあるからです。

先に結論を言うと、エンジニアの市場価値が跳ね上がるのは「実務経験1年」を超えてからです。それまでの期間をどう設計するかで、キャリアの伸びは大きく変わります。

この記事では、駆け出しエンジニア・エンジニア志望者が信じがちな勘違いをTop5形式で紹介します。私自身、未経験者の面接やレビューに関わる中で「この勘違いさえなければ…」というケースを何度も見てきました。転職活動を始める前に、ここで認識を揃えておきましょう。

この記事でわかること
・駆け出しエンジニアが信じがちな勘違いTop5と、その勘違いが生まれた背景
・「人手不足」「高収入」の言葉のカラクリ
・1年目に年収よりも優先すべきこと

1位:エンジニアは需要が高いから誰でもなれる

【勘違いの背景】エンジニアの人手不足は深刻化する一方で、改善の見込みはありません。経済産業省のIT人材需給に関する調査では、将来的に約80万人規模の人材不足が懸念されています。この数字が独り歩きして「足りてないなら誰でもなれる」という勘違いが生まれました。

しかし、実際に足りていないのは実務経験1年以上の即戦力エンジニアです。「実務経験はないけどエンジニアになりたい人」は、むしろ余っているのが現状です。

「エンジニアとして就職したのに無関係の仕事ばかりやらされる」「仕事がきつくて1年以内に退職」——需給ギャップの歪みはこういう形で未経験者にしわ寄せされ、1年以内にリタイアする人が後を絶ちません。

「人手不足」の恩恵を受けられるのは実務経験1年を超えてから。それまでは狭き門だと覚悟しておきましょう。

2位:1年目から高収入

【勘違いの背景】エンジニアは経験を積めば高収入を十分狙える職種です。これをプログラミングスクールが「エンジニアに転職して高収入」とCMに利用しました。よく見ると小さな文字で「実務経験を積んだ後の想定です」と書かれていたりします。

先述の通り、実務経験1年を超えると市場価値は飛躍的に上がります。裏を返せば、1年未満は極端に低く見られがちということ。1年目の給与は、前職より下がるケースも珍しくありません。

だからこそ1年目は、年収ではなく「実務経験の質」で会社を選ぶべきです。選考で評価されるポートフォリオの作り方は、こちらで詳しく解説しています。

【完全ガイド】未経験エンジニアにポートフォリオは必要?評価される15のポイントと優先順位未経験エンジニアにポートフォリオは本当に必要なのか、不要論の背景から面接官に評価される15のポイント、作成時の優先順位まで解説。神レベルを目指さず、転職につながる1本を完成させるための完全ガイドです。frontendlab.magicgifted.com

1年目は年収よりもスキルアップ・実務経験の質を優先。2年目以降の転職で回収するのが定石です。エンジニアが収入を上げる3つの手段も参考にしてください。

注意:「未経験歓迎」で簡単に内定が出るSESには要警戒です。給与はもらえても、肝心の実務経験を積めないリスクが高いためです。詳しくは未経験でSESはやめとけと言われる理由をどうぞ。

3位:自社開発こそが正義

【勘違いの背景】Google、Amazon、Appleのようなスター企業はすべて自社開発企業です。ただし逆は成り立ちません。自社開発企業がスター企業とは限らないのです。

「自社開発企業=ホワイト企業」という偏見が未経験者の間で広がっています。それに目をつけたのが「一応自社サービスを持っているだけのSES企業」。「自社サービスあり!」と大袈裟な広告で人を集め、実態はエンジニアと無関係の業務に飛ばす——そんな求人も実在するので注意が必要です。

自社開発企業とは?メリット3つ・デメリット3つ|ホワイト神話の落とし穴自社開発企業は自社サービスを開発する企業で、上流工程や裁量の大きさが魅力。ただし「自社開発=ホワイト・高給・モダン」は思い込みで、スキルが狭くなる等のデメリットもあります。受託・SESとの違いを比較表で整理し、ハズレ企業の見極め方まで解説します。frontendlab.magicgifted.com

事業形態のラベルよりも「どんな仕事を任せてもらえるか」で判断しましょう。求人のどこを見るべきかは未経験求人の見るべき場所Top5にまとめています。

4位:仕事は早く終わらせるべき

実務経験の浅いうちは「このタスク、どれくらいで終わりそう?」と聞かれて戸惑います。「仕事が遅い人」と思われたくないがために、ついギリギリの納期を提案しがちです。これで間に合わなかったら、大きく信頼を失います。

納期は3割ほど余裕を持って提案しましょう。仕事が速い人よりも、納期を守る人の方が評価されます。時間が余ったら、その時間で質を上げればなお良しです。

また、上司に質問を連発して相手の手を止めてしまうくらいなら、多少時間をかけて自力で実装した方が評価される場面も多いです。「速さ」より「見積もりの正確さと安定感」が新人の武器になります。

実務未経験者に「仕事の速さ」を求める会社はほとんどありません。焦って自滅しないことが第一です。

5位:コミュニケーション能力は不要

「人と関わりたくないのでエンジニアになりたいです」という人が結構いるのですが、これは勘違いです。

クライアントの要望を正確に把握するには対話が必要です。デザイナーや営業担当との相談も頻繁に発生します。エンジニアは人と関わる機会がたくさんある職種で、これはフルリモートでも変わりません。むしろテキストでのやり取りが中心になる分、言語化能力はより問われます。

大学のサークルで人気者になれるようなコミュ力は不要。最低限の報連相と言語化ができれば十分です。

まとめ|勘違いを正した人から内定に近づく

  • 足りないのは「即戦力」。未経験者にとっては狭き門
  • 市場価値が跳ね上がるのは実務経験1年から。1年目は年収より経験の質
  • 「自社開発=ホワイト」は思い込み。任される仕事内容で判断する
  • 速さより納期。コミュ力は最低限でいいが、ゼロでは務まらない

IT業界は誇大広告の影響で、偏見や勘違いが特に多い世界です。複数の情報源に目を通し、本質を見抜く力をつけましょう。

独学で情報の取捨選択に疲れてしまったなら、現役エンジニアに相談できるスクールで基礎とキャリア設計をまとめて固めるのも近道です。転職活動を始めるなら、業界の実態を知る転職エージェントを複数使って求人を見比べるのが失敗しないコツです。

よくある質問(FAQ)

Q. 未経験からエンジニアになるのは無理なのですか?

無理ではありません。「誰でもなれる」が勘違いなだけで、正しい準備をすれば十分可能です。評価されるポートフォリオを作り、面接対策をした人から内定を取っています。未経験面接の頻出質問Top10内定が出ないときの対策3ステップが参考になります。

Q. 1年目の年収が低くても転職する価値はありますか?

実務経験を積める環境なら価値はあります。エンジニアは経験年数で市場価値が大きく変わる職種のため、1年目の年収差は2年目以降の転職で十分逆転できます。逆に、年収が高くても実務経験を積めない環境は避けるべきです。

Q. 未経験歓迎のSESに入るのはダメですか?

内定は出やすいのですが、開発経験を積めない現場に配属されるリスクが高く、原則おすすめしません。詳しい理由と例外は未経験でSESはやめとけと言われる理由で解説しています。

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